· 

2022年5月レター理事長挨拶

4月17日に開催した「売春防止法から女性支援法へ」セミナーが無事に終了しました。講師の内藤先生には、心より感謝を申し上げます。開始時にはハウリング等のトラブルがあり、先生にもご心配をおかけし、また、ご参加くださった方々にはお聞き苦しい点もあったかと思います。リハーサルを行っても、予期せぬトラブルは出てくるものだと実感いたしました。これは、対面でのセミナーでもいえることですが、講義内容だけなく、運営そのものも、勉強なのですね。この経験を、ウイルでの活動はもとより、他の社会活動やさらには仕事にも活かしていきたいと思います。

セミナーから数日後、NHKドラマ「雪国」を視ました。花街へ売られる駒子が何度も「貧乏は嫌だ」と叫ぶ姿に、困難を抱える女性と売春の関係を改めて認識しました。それゆえに、売春防止法が婦人保護事業の根拠法となっていたのでしょう。しかし、駒子の時代とはもちろん、法律が制定された66年前と現代を比べても、社会構造と人権思想が大きく変わりました。人権保障、自立支援の観点からも新法の成立が目指されるのは大いに納得できました。

今、私は困難を抱えている自覚はありません。しかし、いつ、誰が困ってもおかしくない社会構造と社会情勢の下、不安はつきまとっています。新法成立により、様々な人々が、少しでも生きやすくなることを切に願っています。(後藤恵里子)